複雑な気持ち

11月8日のネタばれ?というわけではないですが、『夜の森ペレリン』の出典はこれです。

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)


ドイツの児童文学者ミヒャエル・エンデの作品です。
もう!私にとって一番の、最高の、作品です。
誰にも教えたくないくらい大事に思っている、宝物。
児童文学だけでなく『自由の牢獄』『鏡の中の鏡』などのシュールな作品や、『サーカス物語』といった戯曲も書いています。
エンデ自身、日本びいきで、禅に興味があったらしく、どこかしら東洋的なイメージのものもあります。
どれも、何度読んでも新鮮で、考えさせられる作品です。


バスチアンといういじめられっ子がいつしかその本の世界に入ってしまい、様々の冒険を通して成長する、というストーリー。
前半は主にバスチアンが読んでいるそのものずばり『はてしない物語』の話。
アトレーユという少年がファンタージェンを救うための旅に出ます。
そのアトレーユの世界と、バスチアンの世界がクロスしていくのです。
そしてバスチアンは本の中の世界へ。
とある夜の森に一人放り出されますが、朝になると森が砂漠になります。
そして最初に出会うのが、『生ある死』ライオンのグラオーグラマン
実はこのライオンに近づくものは全て焼かれて砂になってしまうのですが、バスチアンは女王から授かったお守り・アウリンのおかげで死なずにいられるのです。
ライオンにとってもバスチアンは、初めて出会う、生きている存在でした。
二人は友達になります。
ライオンが眠ると、砂漠が森になり、それが『夜の森ペレリン』。
ライオンの眠り(=死)によって、森(=生)が成り立つ。(ので、『生ある死』と)


まあ、ざっとこんなシーンでして。
生と死、個の存在意義や輪廻などを考えたりもします。
極彩色のペレリンのイメージが、能楽囃子に重なったのですが、知らない人には伝わりにくい、知っていたとしても、印象は異なるのだと思います。
(けど感想ってそんなものでしょ?)
どれくらいの人がわかってくれたかなあ?


ファンタジーつながりで。
“エンデの秘蔵っ子”と帯に書かれていた『ネーシャン・サーガ』が気になっていました。
しかしながら未読。
ファンタジー読むのには体力いるのですよ。(とらわれてしまうので。)
テンションが上がらないと読めなさそうだなあ、と思ってまだ読んでません。
と思っていたら・・・

ファンタージエン 秘密の図書館

ファンタージエン 秘密の図書館

う〜〜〜ん。
複雑な気持ちです。
読みたいような、怖いような。
この手の続編が面白かった例が無い。
しかも作者違うし。
何より、「それはまた別の物語」の精神に反するのでは?
エンドレスになるのでは??
しかし気になる。
『ネーシャン・サーガ』読んでから決めるか・・・。