お堅い
大蔵流の、山本家の当主、東次郎氏の著書です。
- 作者: 山本東次郎
- 出版社/メーカー: 玉川大学出版部
- 発売日: 1993/03/15
- メディア: 単行本
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先日の『山本会』のパンフレットに載っていた文でも感じていたのですが、とても博識で、引用も上手くて、読み応えがありました。
しかし、芸風同様、か・・・堅い。
狂言について、一般的なイメージ(分かりやすい、単純、滑稽など)からもう一つ踏み込んで、強烈な風刺を秘めつつも、それを前面に出さず無名化、非劇的に演じられるものである、と述べています。
一見単純に見える曲の裏に、どんなメッセージが隠れているのか。
狂言成立当時の文化や、また江戸時代の幕府による保護(イコール規制でもある)による変化などを知った上でなければ、真に理解するのは難しい。
観客に、高度な視点を求めています。(キャ〜)
一時期流行った『本当は怖いグリム童話』的な、東次郎さん独自の曲の解釈が、とても興味深い。
この本を読んだ後では、狂言を見る目が変わりそうです。
(先日の『釣狐』を見る前に読んでおけば良かった〜。)
それにしても、東次郎さんて、もう70歳になるのね・・・。
ちょっと驚き。