お堅い

大蔵流の、山本家の当主、東次郎氏の著書です。


狂言のすすめ

狂言のすすめ


先日の『山本会』のパンフレットに載っていた文でも感じていたのですが、とても博識で、引用も上手くて、読み応えがありました。
しかし、芸風同様、か・・・堅い。


狂言について、一般的なイメージ(分かりやすい、単純、滑稽など)からもう一つ踏み込んで、強烈な風刺を秘めつつも、それを前面に出さず無名化、非劇的に演じられるものである、と述べています。
一見単純に見える曲の裏に、どんなメッセージが隠れているのか。
狂言成立当時の文化や、また江戸時代の幕府による保護(イコール規制でもある)による変化などを知った上でなければ、真に理解するのは難しい。
観客に、高度な視点を求めています。(キャ〜)


一時期流行った『本当は怖いグリム童話』的な、東次郎さん独自の曲の解釈が、とても興味深い。
この本を読んだ後では、狂言を見る目が変わりそうです。
(先日の『釣狐』を見る前に読んでおけば良かった〜。)


それにしても、東次郎さんて、もう70歳になるのね・・・。
ちょっと驚き。