夢か現か

夜見るほうの、夢の話。


新・夢十夜

新・夢十夜


短編集です。
夢だらけ。


夢の話って、その支離滅裂さや、あいまいさに、本人以外はちっとも面白くないんだけど、この本では、そういう矛盾やら、不透明さやら、主格の混在といった不思議な感じは残しつつ、物語として、一応のオチをつけている・・・のもあったり、なかったり。
夢の中で夢を見て、その夢は誰の夢なんだ、自分は誰なんだ、と、ぐるぐる思考が巡る話が多いのですが、実は夢の話でもなんでもない、現実に生きる私たちの抱えている自己矛盾に通じるのかも、なんてことも思ったり。