子方

TV放送で、『七騎落』(観世流)を見ました。
で、まあ、色々とツッコミどころがありまして。(笑)


まずあらすじは、現代風に言うとこんな感じ。
(あくまで挿頭花風解釈です。真面目なあらすじは他を当たってください。)


不景気の中、頼朝の会社もリストラをすることになった。
8人の社員の中から1人だけ選べ、と言われ、悩む実平。
無難に、最長老を追い出そうとしたものの、ごねられ、更には同じ仕事に2人いらないと言われる。
仕方なく、一番可愛がっていた部下の遠平を説得し、辞めてもらうことになった。
遠平はどうなったかと心配していると、居酒屋で大学時代の友人義盛に再会。
お互いの近況を話していると、遠平がやってきた。
驚く実平が事情を聞くと、最近、義盛はベンチャーを立ち上げ、遠平もそれに加わっているとの事。
実平は喜び、ノリノリでマツ○ンサンバを踊っちゃいました、とさ。


・・・すみません、おバカで。(爆)


そもそも。
8人という人数は縁起が悪いと、一人船から追い出せっていう源頼朝が無茶です。
親子(土肥実平と土肥遠平です。上司&部下にしちゃいましたが。)なんだから、どっちかが降りれば、というのは・・・もっともなような、そうでもないような。
で、ここなのですが。
能では、遠平は子方が演じています。
小さいけれど、きりりとした若武者姿、可愛いのですよ。
そんな我が子を泣く泣く降ろす、実平、気丈に振舞っていても心は泣いてます。
ああ、それが武士の忠誠心なのね。
でも切ないなぁ、なんて思っていたのです・・・んが!


気付いてしまった。
遠平君てば、戦場についていくくらいだから、立派に成人してるんだよね、きっと。


能の演出に、やられました。(苦笑)


もう一つおまけ。
「日本の伝統芸能 能狂言入門」の、4回目、狂言の回なのですが。
こーれーはー・・・能狂言入門というより、野村萬斎入門なのでは?(爆)
狂言の可能性ということで、狂言にとどまらない氏の活躍ぶりを、「オイディプス」や「敦」や、その他色々見せてくれて、それはそれで楽しめたのですけど。
ちょっと疑問の残る番組構成でした。
(いや、萬斎氏は好きですけども。)