TVネタの脳と能

TBS『生命38億年スペシャル 人間とは何だ!?V』 (2月25日放送)
http://www.tbs.co.jp/program/seimei5.html
http://blog.so-net.ne.jp/atsuki/2006-02-25-1 (紹介&感想記事です)


チャンネルを変えていたら、「能楽師の・・・」との言葉が耳にひっかかりました。(珍しいので手が止まる)
どうやら、観世流の梅若猶彦さんの脳波を測定して、瞑想状態についての検証を行なっていたようです。
梅若さん、謡や舞をしているわけではなく、面や装束を身に付けるのでもなく、囃子も無し、舞台の上でもない、実験室で普段着で、頭に電極をいっぱいつけられた状態で・・・
脳の中は能モード(笑)になってました。
いつでもどこでも(曰く「便所の中でだって」)、頭の中は能の状態になれるそうです。
さすがです。


この番組の詳細を探していたところ、こんなのもあったようです。
NHKスペシャル『脳に秘められた人格』 (1999年放送)
岩波新書 - 岩波書店
(↑NHK本体の方では見つからなかったので、紹介記事です)


現代劇の女優さんは、「泣け」と言われると涙が出て、声も震えて、となるのに対して、
能楽師(またもや梅若猶彦さん)は表情には出ないが脳内は泣いている、とのこと。


脳内の切り替えは訓練の賜物なのでしょうけど、そうすると「能」ってなんなのかなぁ。
「能」を演じている本人が、最も「能」の世界を見ている・・・てこと?
なんか、哲学的だ。
(「哲学する」を体現したのは・・・カントだったっけ?うろ覚え)


能楽師の、その世界をちゃんと受け止められるよう、観る方としても感覚世界を鍛えなければ。
見巧者はあの邪魔な(!)目付柱に隠れたシテが見える、と言いますが。
道のりは遠い・・・。


そういえば、NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体 Vol.2「しなやかなポンプ~心臓・血管~」 [DVD]でも実験台は梅若猶彦さんでしたっけ。
もしかしてそのテのリストに載ってる?(笑)