せぬひまWS

行ってきました〜京都まで。

京都で活動されている笛の森田保美、小鼓の吉阪一郎、大鼓の河村大(敬称略)の3人の企画です。
ゲストとして同明会理事長でもある笛方の帆足正規氏のお話と、囃子の生演奏。


一時は参加予定者が少ないと嘆いていたようですが、ほぼ満席(40人くらい?)でした。
体験がないということで、直前の申し込みでもOKだと思った方が多かったのでしょうね。


ふすま越しにお調べの音が聞こてくる。
じっと、待つ。


3人が出てきて、三番叟の揉み出しと、鈴の段。
あのテンポを聞くとにんまりしてしまう。
わくわくしてきます。
で、揉みの段へ、と思いきや、鈴の段、しかもフルコーラス。
くるくると繰り返すのが心地よく、自然の循環を想起する。
いつも三番叟の舞に目を奪われてしまうのだけれど、囃子だけでもトリップ感があると知った。
鈴の音や足拍子も音楽として加えてみると、どうなるのかなあ。


次に帆足先生が出てこられた。
手には扇子とハンカチ。
「一度やってみたかったんです。」
落語好きなのだそうです。
ということで落語の話から始まり、先生が昔見た名人、先輩に言われた言葉、お稽古の事、などなど。
とても聞きやすく、楽しく、多彩なお話をして下さいました。
「どんな曲でも強く吹く」
というのは、意外でした。


次の演奏は序の舞。
たゆたう波間に浮かびながら、溺れてしまいそうな感覚に。
帆足先生のお話の後だけに、笛の音が気になる。
強く、強く、でもちゃんと序の舞のゆったり感があるのは不思議。
お調べの時から思っていたけれど、森田さんの笛の音、変わったように思った。
強く、まっすぐになった気がしたけれど。
(後の懇親会でご本人は満足する出来ではなかった、と仰っていましたけど。)


休憩後、せぬひまメンバーと帆足先生の4人での座談&質疑応答。
帆足先生が、せぬひまの意欲的な活動(この日の選曲)をとても評価してくださっていたのが、嬉しい。
吉阪さんが「長い、退屈、しんどい」鈴の段や序の舞を省略せずにあえてやってみた、と言うと・・・
河村さんが「退屈だったかどうかわからない」とフォロー。
お二人は序の舞を作り直したいと、模索中なのだそうです。
けれど、考え過ぎるのもよくないし・・・とまた考え込んでしまう吉阪さん。
「ついていけないと怒られるのはいつも僕で」と河村さん。
何だか、見ていていいコンビですね。
帆足先生の、「若い時は思いっきりやって、何か(注意を)言われるくらいのほうがいい」というのには、感激しました。


最後は男舞。
うって変わって、テンポのよい、すっきりと目の覚めるような・・・どころじゃなく、全身に痺れが来るような演奏でした。
(舞台も近いですし。)


懇親会では、帆足先生とも直接お話することができました。
お洒落で、粋で、お茶目な先生でした。
落語も能も好きだった、という先生に、落語家になろうとは思わなかったのか、とお聞きしたら、
「弟子入りしようと落語家の先生の楽屋へ行ったんだけれど、“およしなせえ、おまえさん二枚目過ぎる”と断られた・・・なんてことはないのですが」
とか。(爆)
昔の寄席はお客さんをとても大事にしていて、自分の為のネタをしてくれた時には感激した、という話とか。
落語の話をしたら止まらないようです。


楽しかった〜〜〜。