突拍子なく

何故かな、いしいしんじと似ていると思った。
タイトルのセンス?
特異な才能を持つ「弟」を書いているから?
おそらく、突拍子のなさ、「・・・はぁっ!?」な世界を突っ走る度胸(笑)が似てるんだろうね。


重力ピエロ

重力ピエロ


主人公の一人称で、弟の事、連続放火事件の謎解きなどが語られる。
それらは、念入りに仕組まれた、復讐でもある。


ミステリ・・・にしては、伏線は大雑把です。
謎解きそのものよりも、「人間の悪意」について書きたかったのかな。
どうしようもなく、「悪い」人間。
それだけに、主人公の父親の寛大さがジンときます。


デビュー作の、こちらも根底のテーマは同じ。(だと思う)


オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)


未来を予知することのできる、案山子。ある日彼は殺されていた。どうして自分の死を予言できなかったのか?
不思議な島に迷い込んだ主人公が、世界を変える何かをもたらす。


ファンタジー好きなので、いきなり案山子がしゃべりだす世界を提示されても、そういうものかと読み進めることは出来るのですが・・・。
な〜んとなく、読み辛かった。
置いてけぼりポイントが多くて。(笑)
あと、描かれる「悪意」が、生々しくて、嫌だった。(そんなに極端に残酷なシーンでもないのだが。)
すべて読めば、世界は丸いのね、と思えるようになったかな。


変わった人だなぁっ、というのが、最大の感想かな。