狂言役者

京都の大蔵流狂言役者の茂山千之丞さんの著書。


狂言役者―ひねくれ半代記 (岩波新書)

狂言役者―ひねくれ半代記 (岩波新書)


戦争をはさんで、公私共にハチャメチャな半生が書かれています。
軽妙な語り口で、すらすら読めました。
自身の実体験に基づく、戦争や権威に対する憎しみや反発、それに並行して、狂言を色々な人達に見てほしいという意欲は、並々ならぬものを感じます。
戦時下、体制による都合のよい教育を受け、その矛盾に気づいてしまった一人として、何かを発信し続けなければいけない、また、現在までに十分なものを残している方だと思います。(そんなに活動を知っているわけではありませんが)
もう20年も前のものなのに、能・狂言の抱える問題点は、変わっていないのかもと思わせられる事も。


この方の狂言、すべてアドリブに思えてしまうくらい、自然というか、軽妙というか・・・饒舌なイメージです。