狂言役者
- 作者: 茂山千之丞
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1987/12/21
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
戦争をはさんで、公私共にハチャメチャな半生が書かれています。
軽妙な語り口で、すらすら読めました。
自身の実体験に基づく、戦争や権威に対する憎しみや反発、それに並行して、狂言を色々な人達に見てほしいという意欲は、並々ならぬものを感じます。
戦時下、体制による都合のよい教育を受け、その矛盾に気づいてしまった一人として、何かを発信し続けなければいけない、また、現在までに十分なものを残している方だと思います。(そんなに活動を知っているわけではありませんが)
もう20年も前のものなのに、能・狂言の抱える問題点は、変わっていないのかもと思わせられる事も。
この方の狂言、すべてアドリブに思えてしまうくらい、自然というか、軽妙というか・・・饒舌なイメージです。