能面狂言面展@京都文化博物館

kazashi2006-10-30

先日の京都ネタです。


「岩崎狂雲を偲ぶ会」とあるように、昨年9月に亡くなった岩崎狂雲さんの個展です。
手渡された出品目録に、奥様(?)の挨拶と、茂山千之丞さんの寄稿文がありました。
それによると、狂雲さんは京都の大蔵流茂山家狂言役者として舞台に立ちつつ、能面・狂言面を打っていたとのこと。
それが狂雲さんの強みだ、と千之丞さんが書いています。


33点が展示してあり、狂言面と能面と半々くらい。
「馬」「蛸」「鳶」というのがあったのですが、どういった演目で使うんでしょうか?
リアルな馬や、蛸や、鳶には見えない・・・というか、馬面の人、蛸顔の人、という雰囲気です。(笑)
鳶に至っては、人にすら見えないけど。


能面では「小姫」というのが可愛かったなぁ。
そして「逆髪」てば超美人でした。


変わったものとして千本釈迦堂鬼の面」というかなり大振りの面がありました。
追儺(節分)の行事で用いるものらしいです。
「狐(壬生寺)」は、顔と口とが一体化して、シュッとしてる、ちょっと不思議なタイプ。
(通常『釣狐』で使う面は、あごが動かせるようになっているはず)
壬生寺」とあったので、もしかして壬生狂言で用いる面なのでしょうか?(壬生狂言もいつか見てみたいです)
ちょっと不気味な「三番三(宇良神社)」も。
左目と右目の形が違っていて(縦長と横長に切り込まれていました)、顔がゆがんでいるのです。
これも神事に関係した面なのでしょうか。


茂山家は神社やお寺での奉納狂言を積極的に行っているそうなので、そういった事も関係しているのかもしれません。
会場で聞こえてきた会話によると、どれも舞台で使っているものばかり、そしてお弟子さん(面打ちの)は面を写したいと希望するし、故人のために個展もしてあげたいし、だそうです。


能って、文化財に指定されてたりする、貴重で高価な面や装束を、実際に舞台で使っちゃうんですもの、すごいですよねぇ。
(もしかしたら、お茶やお花の道具もそうなのかもしれないけど)
・・・そんなの身に着けるだけで足がすくみますっ。(笑)