火花

帰り道。
黄昏時。
辺りはオレンジ色に染まり、空には黒い雲が低く、速く、流れていた。


カシャン。
曲がり角で、火花を見たと思った。


前を歩いているのは、スポーツバッグを肩にかけた、ひょろっとした少年。
高校生くらい?


その足元から、また、火花が散った。
カシャン。


傘、だった。
金属の石突がアスファルトに打ち付けられ、光を発していた。


カシャン。
カシャン。


一体何があったんだい?少年。