ホラー

職場ではホラーブームです。
すっかり寒いというのに。


手始めに借りたのはこれ。(実際は、文庫版の『夜の章』『僕の章』の2冊。)

GOTH (角川コミックス・エース)

GOTH (角川コミックス・エース)

殺人事件を調べるのが好きな高校生の“僕”と、何かと事件に巻き込まれやすい“夜”(名前)の二人が、様々の事件の真相を追う・・・と、これだけ読むと『金○一少年の事件簿』のようですが。
ブラックです。
彼らには正義感も倫理観もなくて、ただ、そういった事件を知りたい、という興味のみで、犯人を通報しようとか、解決しようとか言うわけではない。


これより前に、『夏と花火と私の死体』を読んだ事があるのですが、読み手の先入観をひっくり返すのが上手いです。
巧妙なトリックというものではなく、文章でひっかけて、見事にやられた、という感じ。
ただ、そういう癖に慣れてしまうと、予想出来ちゃいます。(実際、2冊目のは分かっちゃいました。)


次にこんなのが回ってきました。

親指さがし (幻冬舎文庫)

親指さがし (幻冬舎文庫)

古い殺人事件を題材にした“親指さがし”という遊びの最中に行方不明になった友達。彼らが20歳を迎える頃、その時一緒に遊んでいた仲間たちが次々に殺される・・・。


この遊びが、「こっくりさん」のような、いかにも子供の頃にやりそうな、ちょっと怖い遊びで。
『リング』のような湿っぽいゾクゾク感があります。


あまりに怖いので(というか後味悪いので)読み終わった後に『小指さがし』というパロディーを作って気を紛らせました。
(小指を切り取られたヤ○ザさんの霊が「わしの小指どこじゃー」って。)
閑話休題。(^ ^;)


お返しにこれを貸し出し中。

白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)

白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)

編入っています。
表題のは、他人(霊)の意識を取り込む事によって、成仏させる能力を持つ主人公が、とある女の子に恋をしてしまい、自分が何者かということに気付く。ちょっとした引っかけがあります。
もう一つはとある田舎に引っ越してきた夫婦と、その地域の奇妙な風習・・・それは、幸せの絶頂期に“満足死”として、自殺を容認するというもの。(いかん、ネタばれになってしまった。)平穏な暮らしの中に潜む違和感が、不気味です。


ところで、冬ってこういうの読んでてもあまり怖くないですね。
幽霊も、あの格好じゃ寒くて出られないから?
それとも空気乾燥してて、干からびてしまってるのか?(幽霊ってヌルヌル・ベチョベチョのイメージ)
“怪談=夏”という先入観なだけではないよねぇ・・・。


ということで冬の怪談といえば・・・
ディケンズの『クリスマス・キャロル』(出版社も訳者もありすぎてリンクに困ったので、貼りませんでした。)
けちで気難しくて、クリスマスを楽しもうともしないスクルージが、夜中に3人の幽霊に連れられ、見たのは過去・現在・未来の自分の姿。


ええっと・・・この名作を怪談という認識はNG?
昔に読んだので、教訓よりも、幽霊の鎖でがんじがらめになったおぞましい姿が妙に印象に残ってしまっていて。
クリスマスも近い事だし、読み直そうかな。