子供の遊び

昨日紹介した『親指さがし』のように、子供の遊びでホラーな本。


くらのかみ (ミステリーランド)

くらのかみ (ミステリーランド)

田舎の“本家”に集められた子供達。蔵の中で遊んでいると、いつの間にか一人増えている。跡継ぎ候補は命を狙われる。増えた子供は一体?そして、犯人は??


体裁としては、小学校中〜高学年くらい対象の児童文学。
ですが、なかなかに本格ミステリーだし、ホラーです。
何より、小野不由美、上手いです。
ファンです。


ホラーでは他に、

黒祠の島 (ノン・ノベル)

黒祠の島 (ノン・ノベル)

行方不明になったフリーライターの友人を探して、夜叉島へ渡る主人公。そこは、異端とされた神を祭る“黒祠の島”だった。


なんというか・・・血の恐ろしさというか、ムラ(ここでは島)の閉塞性とかに、じわじわと絡めとられるような気分になります。
「昔からの言い伝え」だから人が死ぬのも(殺されるのも)当然だ、と。
そいういう頭の固さを前にした無力感が、伝わります。


こういう地域密着型閉鎖的ホラー(?)では、

屍鬼〈上〉

屍鬼〈上〉

とある山村で続く、不審死。引っ越して以来、全く姿を見せないお屋敷の住人。密やかに噂される、“起き上がり”の存在。


面白いです!
上下巻でかなりずっしりしますが、その重厚さに、内容がひけをとりません。
(文庫本もありますが・・・5冊くらい?でもこれは単行本で読む価値ありです。)
細部まで緻密に編みこまれているストーリー。
魅力的な登場人物達。
怖くて面白くて、勿体ないくらいのスピードで読めてしまいます。


ちょっと雰囲気変わって、

東亰異聞 (新潮文庫)

東亰異聞 (新潮文庫)

江戸が東京になり、そこに出没する“闇の者たち”。本当に恐ろしいのは闇か、そこに棲む異形の者たちか、それとも人間か?


文楽人形と人形遣い狂言回しとして出没するのですが、それがなんとも色っぽいというか・・・艶やかで、品が良いです。
何度も読むと伏線の上手さに感服。


あとは・・・

魔性の子 (新潮文庫)

魔性の子 (新潮文庫)

ティーン向けライトノベルではありますが、侮れません。
一応『十二国記』シリーズの番外編らしいのですが、関係なく読めます。
これを読んで、主人公は一体?と気になって、シリーズに手を出してしまった私でした。
十二国記』シリーズは、これまた辞書やら陰陽道やら風水やらの本を傍らに置いて読みたくなるような・・・。
このてこずらせ加減に、ハマるのですが。(岡野玲子の漫画『陰陽師』もそうでしたし。)


ということでまとめ(?)
小野不由美の特徴として・・・
・キャラクターがいい
・ストーリーが緻密(伏線びっしり)
異世界へのジャンプが軽い(ある意味トンデモ)
・呪術や風水などの使い方に説得力がある(ホントかどうかは不明だが)
ともあれ、面白いです。