シュークリーム

「好物を覚えていたんだな」


手土産に持っていったシュークリーム。
その選択に、気付いてくれたことが、嬉しい。


貴方の言葉は的確で。
私が見ぬふりをしていた真実を、言い当ててしまう。
私は嬉しくて、悔しくて、負けそうになる。


貴方は、私みたいな生意気な女をおとす術を知っている。
殺し文句。
負けてもいいか、と思う。


貴方から離れたいと思った時もあるのに、結局私は、その手の上でぐるぐる回っている、お猿さんのようなものだった。
そして、そんなたくさんの猿の中から、貴方は私をつまみあげてくれた。
それが、嬉しく、誇らしい。


私が勝手に嬉しいんじゃなくて、貴方が喜んでくれたから、私も嬉しいってこと。
私に能力があるんじゃなくて、貴方が信じてくれるから、私も自分を信じようと決めた。


頑張ろう。