たまりぎみ

宿題の論文そっちのけで、本ばかり読んでいます。
大丈夫なのか、来週のゼミ当番。(涙)


能楽師になった外交官 (中公新書)

能楽師になった外交官 (中公新書)

「外交官はNOと言わない」のだそうです。
そうやって自分の首を絞めて(?)能を習い始めることになった、外交官の手記。
文章がとても洒落ていて、社交性の高い人だというのが伝わってきます。
(翻訳ですが、ところどころのジョークや、慣用句の使い方から、そう感じました)
領事館の庭での薪能をプロデュースした、という話も。
梅若六郎の『石橋』で、芝生の上で直接舞ったんだとか。(すり足はどうしたんだろう?)
NHKが録画したそうなんですが、見てみたいなぁ。
そういう華やかなエピソードを読みながら、ああ、世界が違うわ〜、こういう人しか能を習っちゃいけないんじゃぁ?と、わが身を振り返り、悲しくなってきました。(笑)


能の解説的部分『お能』、『梅若実聞書』、友枝喜久夫について書かれた『老木の花』の3パートからなっています。
序破急についての説明で、5番立の中の、1曲の中の、サシとかクセとかいう部分の中の、一くさりの中の、一節や一言、一足の中にも、序破急があるというようなことを述べていました。
「アキレスは亀に追いつけないとか」、「放たれた矢は的に届かない」というのを連想・・・パラドクスになっちゃいますが。
それとも、マトリョーシカ人形
「蝉丸」で友枝喜久夫が、髪を掻き毟り、面を枝で打っている写真が、ぞくぞくします。
通常はこんなリアルな型はなく、名人ゆえのイレギュラーな演出なのだとか。
それが、観客には面白く見える、と。
ただし、初心者がやるべきではない、とも強く言っています。


もう一つ、こちらは難解で・・・感想書けませんが、紹介まで。

心より心に伝ふる花 (白水Uブックス)

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