きっかけ
ある意味、能への興味のきっかけでもあった本です。
- 作者: 梨木香歩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/12/26
- メディア: 文庫
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出てくる人物は、染色とか織物といった手仕事に関わる人ばかりで、彼女たちの会話の空気感、彼女たちの家はとても穏やかで、居心地のいい空間に思えます。
食費対策で庭の雑草を食べたりするのですが、危機感とか貧相さはなく、「おばあちゃんの知恵袋」的でほのぼの。
彼女たちの間に繰り返し現れるイメージとか、何かに捕われたような感じとか、不思議で、ちょっと怖いような。
お互いへの信頼や、気遣い、思いやりや優しさといったものに溢れた本だと思います。
ちなみに、私はこれを友人への入院見舞いに持って行ったのですが、好評でした。
能面の出てくるシーンがあるのですが、当時は「小面」と「般若」しか知らなかったので、その他のものを調べようとネットに潜ってたら・・・というのが前述した能へのきっかけです。
(平行して漫画『陰陽師』もなのですが。未知の言葉のたくさんあるものってムキになるようで。)
だから、最初は能面とか装束への興味だったはずなのです。
美しいもの見るの好きですし。
それが・・・能楽堂で聞いた素囃子の迫力にノックアウト。(笑)
梨木香歩さんの他の作品は・・・
- 作者: 梨木香歩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/12/26
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日本の古い昔話のエピソードが散りばめられていて、土臭いような、湿った土間のような匂いを感じます。
少女の成長を描いているのですが、とても残酷で、苦しくて、絶望感で読むのが嫌になってしまったのを通り越すと、爽快感のある涙があります。
この人は伏線をはるのが上手いというか、伏線が多くて、中心を見失いそうになります。
何度も読むと、だんだん繋がってきて、より理解が深まります。
共通するのは、人であることの残酷さと、優しさ、かな?