タイトルは似てるが

最近読んだ本2冊。

ホテルカクタス

ホテルカクタス

大学の友達に、江国香織の作品を好きな子がいました。
いくつか借りて読んだけど、あまりピンとこなかった。
その彼女は幸田文も好きで、両者読み比べると、似た雰囲気を感じました。
でもって、幸田文は、いいなと思ったのだが・・・。


この本は挿絵が多くて、絵本ぽい体裁をとっています。
この、白昼夢のような世界観はキライじゃない。
とあるアパート(なのに名前はホテル・カクタス)に住む、帽子とキュウリと数字の2。
ただの名前(既にただものではないが)だと思って読み進めると、本当に帽子だし、キュウリだし、数字の2であることがわかった。
子供の空想世界の物語のようでありながら、大人な表現。
いや、大人になりきれない人達の本、て感じか?


ホテル・アイリス

ホテル・アイリス

小川洋子は何度かここでも紹介しましたが。
結構初期の方の作品のようです。
かーなーり、エロティックです。
これまでの作品にも共通する、言葉のないやりとり、とか。
世界から隔絶された人、あるいは空間、とか。
静かな、静かな、愛情表現とか。
でも結構生々しかったなあ。


海辺のホテル・カクタスの女主人の娘と、孤島に住む変人の男との秘密。
男の性癖がいわゆるSで、少女はM。
少女を抑圧する象徴としての、母親による髪結い。
舌の無い、男の甥との浮気と、男の嫉妬。
普段眠ったように生きている人間の、目覚めている時を描いているような話だと思う。