秘密

友人や知り合いから、薬の事について相談を受ける事があります。
大体は、「病院で薬を貰ったんだけど、どういう薬?」という・・・。


近年、『医薬分業』といって、病院で薬を出すのではなく、病院で処方箋(薬のレシピ)を貰って、外の薬局で薬を購入するスタイルが主流になりつつあります。
(というか、そうすべきです。)
これなら、日本全国どこの調剤薬局でも、その処方箋どおりの薬を受け取れます。
例え、北海道の病院にかかって、沖縄の薬局に行ったとしても。
大抵は、病院の近所の薬局を利用すると思いますが。(そのほうが薬が揃ってる可能性が高いです。)


そこで、勘違いをしている人が多いのですが、いくら病院の隣や、目の前に薬局があるからといって、病院と薬局は別です。
つまり、薬局へ来てから、「この薬は余っているからいらない」とか「旅行に行くので多めに出して欲しい」という注文は、医師の確認を取らなければならないため、時間と手間がかかります。
場合によっては、改めて医師の診察を受ける事にもなりますので、そういったリクエストはできるだけ病院でお願いします。


また何のために飲んでいるのか、というのも、薬局側では正確にはわかりません。
一つの薬に、いくつかの効能があるからです。
処方されている薬の組み合わせで推測はするのですが、例えば「痛み止め」が出されていても、どこが痛いのかは分かりません。
また、その「痛み止め」の薬は、正確には「抗炎症剤」といって、炎症、つまり患部の赤みや腫れなどを抑える効果もあります。
だから、「痛くないから、痛み止めはいらない」というわけにはいきません。
どこが悪くて診てもらったのか、薬剤師に話さないと、正確な服薬指導(薬の情報提供・アドバイス)が受けられない事があります。


で、話は戻って、友人からの相談。
医薬分業の進んでいない診療科に「婦人科」「歯科」があります。
(前者は、病気の質がデリケートだから、後者は、おそらく組織の体質的かな。)
話しているうちに、そこからの薬だとは思ったのですが、うやむやに言うので、こちらもはっきりした事が言えません。
やはり、2・3効能があるものだったので、とりあえず全部伝えましたが・・・。
知り合いだと、聞き易いけれど、あまり知られたくはない、というところでしょうか?


薬で、場合によってはその人の秘密を知ることになりますからね。