今年のつれづれ

えー、だいぶ長らくご無沙汰しております。 m(_ _)m
放置状態も何なので、こっそり更新します。

年の主な感想をば。
と言っても、今、手元に詳細な資料(笑)が無いので、自分のブログを見返しながら、印象に残っている舞台を挙げていきます。
(順番は適当です)


銕仙会青山能(9月26日)『砧』(シテ;浅見真州)
諸事情によりこれが今年最後に拝見した舞台だからというのもありますが、それを差し引いても、銕仙会の狭い舞台を満たした情念は、息苦しいほどでした。


鵜沢久の会(9月24日)『江口』(シテ;鵜沢 久)
強く、凛々しく、気品ある姿に惚れました。囃子方も、超好み。


第5回條風会(6月2日)『山姥』(シテ;狩野了一)
山姥は生まれたときから山姥なんだーと、妙に納得した舞台。


銕仙会定期公演(3月9日)『邯鄲』(シテ;柴田 稔)
事前学習がばっちりで、物語世界にどっぷり浸った舞台。装束のセンスが新鮮でした。


せぬひま(4月13日)舞囃子『弱法師』(シテ;片山清司)
それまでにも何度か拝見した事はあって、端正な規矩正しい印象を持っていたのが、改めて、うわーうわーうわー、と、その表現力に感激した舞台。要は、ますますファンになったということです。(笑)


ダイナーズクラブ 能楽囃子コンサート(6月22日)舞囃子道成寺組曲』(シテ;味方 玄)
この時の主役は、強烈な個性の囃子方ですが、このシテも負けてはいない。可憐な蛇女に、『道成寺』に対するイメージが変わりました。


あと、個人的には、発表会があったりとか。
転職したり、引越ししたり、何かと大イベントの多い1年でした。


でもって、またしばらく更新が滞ると思います。


2008年が皆様にとって、素晴らしい年となりますように。


          挿頭花 拝

そして手に入れた

白肌はういろうだでよ

中部地区バージョン
「そんなお肌で私に勝てるとおもってりゃーすか?」


い、言わねーっ。
パッケージの横にはういろうのイラスト。
バックには名古屋城
「ご当地モノ」の必須アイテムてんこ盛り。


ぶどうは、どうやら山梨らしい。
あと、三重の真珠も。
「中部地区」だからね・・・けどどう見ても、「名古屋」だよなぁ。

乙女の楽しみ

思ってません。ごめんなさい。

同僚の出張土産です〜。
美肌一族』という、少女漫画イラストのパーッケージが印象的なシリーズの、シート状のフェイスパック。
地域限定モノです!
それぞれ、主人公がご当地の言葉で例の台詞を言っています。


関西バージョン
「そんなお肌でうちに勝てるとでも思ってはるの?」


九州バージョン
「そげんお肌で私に勝てると思っとうと?」


あと、北海道と関東、東海地方のがあるそうです。
それぞれの地域の名物の香りや成分をとりいれているとか。
販売戦略にうまく乗せられている気もするけれど、実用的だし、遊び心もあって、お土産としてもらって嬉しいし、あげるのも楽しい。
(注意:だからといって、おじ様がウケようと思って職場女子へのお土産にするのは、どうかと思います。お気をつけ下さい。)


自分用にと買うのは、ちょっと躊躇しますが。
いや、勝負前なら!(爆)

ほんとうのさいわい

ご存知、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』で、繰り返される言葉です。


ジョバンニとカムパネルラ。
いい子たちだ〜。
二人とも、いつも誰かの幸いを願っている。
自分の中の、つまらない嫉妬や軽蔑の気持ちに気付くと、すぐに己を恥じて、相手のために祈る。
お互いがお互いをとても大事にしていて、その思いやりを、みんなに広げようとしている。


初めて呼んだ時、博愛精神のない私には、ピンとこなかった話ですが、歳を経るごとに、そのフレーズがじんわり浮き上がってきます。

「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸(さいわい)のためならば僕のからだなんか百ぺん灼(や)いてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙(なみだ)がうかんでいました。
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」ジョバンニが云いました。
「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云いました。

宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜新潮文庫青空文庫より)


ジョバンニの、カムパネルラとずっと一緒にいたいという思いと、「みんなの幸」のために捨身をも厭わない高潔さ。
私心と無私という矛盾が、この純粋な少年の中に同居している。
「ほんとうのさいわい」「わからない」というのは、その矛盾にぼんやり気付いているからかもしれない。


「カムパネルラ、僕たち一緒にいこうねえ。」というジョバンニの呼びかけに応える声はなく。


急に足元が抜けて、暗闇に吸い込まれるような、絶望的な別れを暗示しているのが、切ない。

ぐるぐる

日常の些細な疑問の答えともなる、電話コードの原理。(大げさ)
実は、私にはピンとこない。
受話器を左右持ち替えないから。


利き手、利き足と同じく、利き耳というのもあるそうです。
個人差があるようで、どちらでもOKな人もいるようですが、私は、完璧に利き耳タイプで、利き手と同じ耳なのですが、メモを取る時にも、肩で受話器をはさんで行います。
不便ですが、逆の耳だと、違和感があって、上手く聞き取れないので。
聴力の問題ではなく。
言葉が、意味を成さないというか・・・しっかり理解できないような気がします。


音楽を聴きながら何かする場合、特に文書を読む場合。
利き耳だと、言葉をちゃんと拾ってしまうので、日本語歌詞だと読み物に集中できないのですが、反対のイヤホンだけにしておけば、そんなに気になりません。
最初から外国語か歌のないものにしとけって話ですが。


だから、大事な話をする時は、私の利き手側に座ってください。
反対だと、スルーします。(そんなことないか)

たいやきは頭から

先日、初めて国立劇場に行きました。
と言っても、公演を観にではなく、ぶらぶら散歩してたら、案内表示があったので、ふらふらと。
伝統芸能情報館て、ここにあるんですね。
日本芸術文化振興会「文化デジタルライブラリー」の本拠地。
(↑リンクを貼ろうと思ったのですが、プライバシーポリシーに連絡云々とあり、面倒だったので、すみませんが自力で探してください。楽しいですよ。資料はどちらかというと歌舞伎寄りの印象です。)


1階展示室で特別展示『伝統芸能の顔−さまざまな展開−』をやっていました。
雅楽能楽、歌舞伎、文楽のそれぞれの「顔」ということで、雅楽能楽は面を、歌舞伎は隈取手ぬぐい(?)を、文楽は頭を展示してありました。
また、それぞれの装束や、歌舞伎の化粧道具なんかも。
4つの古典芸能を一度に見られて、面白い企画でした。(展示数自体は多くないので、10分ちょっとで見終わってしまいますけど。)


さてどうしようかと思ったところに、目に入ったのが「第5回伝統芸能サロン『歌舞伎の化粧』」の告知。
時間もちょうど良かったので、行ってみることに。
受付で渡されたレジュメには化粧道具の名前と用途がぎっしり。
どうやら、国立劇場研修用教材の一部のようです。
<鬢付>とか<練白粉>とか歌舞伎っぽい(?)ものがあるかと思えば、<クレンジングクリーム>なんてのも。
ああ、そもそも男の人には縁がないのか。(笑)
今回は実演をするということで、テーブルの上には化粧道具が並んでいました。(これらも研修用教材と同じものらしいです。)
実演には、なんと、客席から希望者を募るとのこと!
物好きな 好奇心旺盛な私としては真っ先に手を挙げたいところでしたが・・・いかんせんその後予定があり、すっぴんで帰るわけにはいかず・・・いや、歌舞伎メークならアリ?(笑)
実際、女性や子供(小学生?)も立候補していました。
厳選なる選抜(ジャンケン)の結果、「若女方」メークを女性に、「隈取」は男性に決まりました。


講師は歌舞伎俳優の松本錦吾氏。
国立劇場歌舞伎俳優研修の講師もしていたそうです。
自己紹介と、簡単な説明の後、着流しの袂から紐を取り出しくるくるっとたすきがけ。
さすが、さまになっていて、カッコいいです。


歌舞伎の化粧道具、今は市販の良い物が多くなってきたとのことですが、本来は各家の番頭さんやお弟子さんが作るものなのだとか。
それぞれの家のレシピがあって、番頭さん、お弟子さん同士で競い合っていた面もあったようです。(油を腐らせて云々とか、鉛を入れてとか、想像するだに身体に悪そうですが)
どうして化粧をするのかというと、昔は照明が暗かったから、白く塗らなきゃ分からないからという、必然性で。
かなり大雑把だったようです。
今は、写真や映像記録に耐え得るように、化粧が丁寧になってきているとか。


歌舞伎の化粧って、上から完全に塗りこめて描いてしまうんですねー。
分かってはいたけれど、面白いくらいに真っ白、真っ赤と塗り重ねていきました。
顔をキャンパスと考えると、彫が深いよりはのっぺりした顔のほうが変身しやすいのかな。
私もそれくらい化けてみたい・・・化け物?


最後に、記念にということで、顔に手ぬぐいを押し付けて、顔拓(?)をとっていました。
化粧が乾き始めていたので、あまりしっかり移らなかったようですが。
役者さんは、舞台の後にとるんですよね、きっと。
汗でいい感じに化粧が浮いて、移りやすくなるのかな?


時間がなくて、この後の男性の隈取の方は見られなくて、残念。
質問もしたかったなぁ。